
自動車ガラスコラム

夏の直射日光で
フロントガラスが割れる?
意外な真実
いよいよ夏本番到来。車で出かけられることも多くなると思います。炎天下に駐車した車に乗り込んだとき、あまりの熱気に驚いた経験はありませんか?そんな時は、ハンドルやシートが熱くなっているだけでなく、フロントガラスも非常に高温の状態になっています。真夏の直射日光は、車内の温度を60度以上にまで押し上げることもあります。そんな中で意外と知られていないのが、「熱割れ」と呼ばれるフロントガラスのトラブルです。
■ 直射日光だけでガラスは割れる?
「熱割れ」とは、ガラスの部分的な温度差によって生じるひび割れのことです。直射日光だけでガラスが割れることは、通常ほとんどありません。自動車のフロントガラスは「合わせガラス」という構造になっており、強度・耐熱性に優れた仕様で、高温になっただけですぐに破損することはありません。しかし、フロントガラスの端にごく小さなキズがある場合、高温の車内に突然エアコンの冷風を当てたり、炎天下に駐車していた車をすぐに水洗いするなど、急激な温度変化によりそのキズが起点となってヒビが広がり、いわゆる「熱割れ」でガラスが割れてしまうことがあるのです。
次のような条件が重なると、「熱割れ」が起きる可能性があります。
1. ガラスに小さなキズがある
車のフロントガラスは、走行中の飛び石や砂利によって目に見えない微細なキズや欠けが生じていることがあります。夏の強い日差しでガラスが高温になると、そのキズの周囲だけが膨張して、ほかの部分とのバランスが崩れ、ひびが広がってしまうことがあります。特に、キズがガラスの端(ふち)にある場合は、膨張の影響を受けやすく、割れにつながるリスクが高まります。「たいしたことのない小さなキズ」と思っていても、気温が高い時期は突然ヒビが広がるケースが多く、注意が必要です。また、小さなキズが、走行中の振動やエアコンの冷風などの複合的な要因で突然広がることがあります。「いつ割れたのかわからない」というケースの多くは、このような小さなキズがきっかけです。
2. ガラスに部分的な温度差がある
たとえば、サンシェードで一部だけ日よけされた状態など、ガラスの温度が部分的に異なると、内外で膨張差が生じ、ひび割れの原因になることがあります。
3. 高温状態のガラスを急冷する
炎天下で熱くなったガラスに、突然エアコンの冷風を強く当てたり、水をかけたりすると、急激な温度変化(熱ショック)でガラスが破損するリスクがあります。
■ 「熱割れ」を防ぐためのポイント
- ガラスにキズがある場合は早めに補修をガラスに小さなキズがある状態で高温になると割れやすくなります。
→ 熱による破損を防ぐには、小さなキズも放置しないことが大切です。小さなヒビや欠けでも早期に補修することで、熱割れのリスクを大幅に下げることができます。 - 駐車時はフルカバーの日よけを使用するガラスの一部だけに日よけカバーをかけると、ガラスの温度ムラができやすくなります。
→ 局所的な温度差を避け、ガラス全体を保護するのが効果的です。可能であれば屋根付きの駐車場を利用し、日よけサンシェードを活用しましょう。 - 冷房は徐々に使用する直射日光の下で長時間駐車した後、急にエアコンの冷風を強く当てるのは危険です。
→ エアコンは最初に「送風」で換気した後、徐々に冷風を当てるとガラスにもやさしくなります。車内の温度を一気に下げようとせず、冷風はまず足元などからやさしく送るのが理想です。
■ 安全な夏のドライブのために
「夏の暑さでガラスが割れるなんて、ちょっと信じられない」と思う方も多いかもしれません。しかし、ガラスにとって“急激な温度差”や“既存のキズ”は想像以上の負担になります。生駒硝子では、ガラスの診断・キズ補修・交換まで、安心の体制で対応しております。夏のレジャーやお出かけの前に、愛車のガラス状態を一度チェックしてみてはいかがでしょうか。
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